2017年5月22日月曜日

憲法変えるな 政治を変えろ 若者憲法集会2017

 若者憲法集会2017に参加しました。

『声を上げよう 私たちの生命と 自由のために』と2014年から始まった若者憲法集会も今年で4回目。安倍政権の改憲発言や立憲主義の破壊が進む中、『憲法変えるな 政治を変えろ』のスローガンが響きました。

 全体会は、昨年同様世田谷区民会館。神戸女学院大学の石川康宏教授と「憲法に力はあるのか」「社会は変わるのか」をテーマにトークセッションが行われました。日本とヨーロッパの民主主義や人権を獲得するまでの歴史など、今の日本政治に繋がる悪い根っこが見えた気がしました。(メモは下の方に)

 集会終了後は、未来のための共同と実行委員会共催の新宿パレード。新宿中央公園を出発し、4つのテーマ・梯団に別れ、新宿駅を包囲しました。沿道からもたくさんの声援がありました。

 ♪言いたいことも言えないこんな世の中じゃ

若者憲法集会と新宿パレードのフォトアルバム




石川康宏 神戸女学院大学
「憲法に力はあるのか」「社会は変わるのか」

若者の苦しみはどこにあるのか。
 いろんなレベルで問題はある。資本主義社会における優位性やセクシャリティの問題を是正するために政治がある。はずだが、動いていない。
戦後の日本の政治を方向づけているのは、ひとつは財界からの政策提言。もう一つは企業団体献金として年28億円の献金。
そして、アメリカに権力的に支配されている。それを良しとする政治家が中枢に居座っている。若者の中には、殺し殺される国にされようとしている。また、今の安倍政権の閣僚の19人が神道政治連盟国会議員懇談会に加盟し、神道を政治の中枢にすると綱領を持っている。それは、自民党の改憲草案にも反映されている。
日本国憲法は、基本的人権を詳しく書いていて、これほどまでに詳しいものはない。「オレを生存させろ」「国はどうにかしろ」といえるのは、憲法の生存権が保証しているもの。
なのに、政治はこのざま。立憲主義を強制していく主権者が必要。ヨーロッパでは、庶民がたたかって自由権を獲得していった歴史がある。日本にも戦前、そういったたたかいがあったが、共謀罪の先輩である治安維持法で弾圧され、殺害された。敗戦を経て、基本的人権を与えられたが、その内容を理解している国民は少なかった。部分的な理解とあこがれで、日本国憲法は受け入れられたが、憲法を守り、政治に実現を求める運動は、今やっと現実のものになってきたところ。

 主権者としての未成熟が原因。その原因は、資本主義社会の未形成がある。イギリスでは、産業革命を経て、地主だけでなく、資本家も選挙権を持ち、1840年ごろには労働者も選挙権をもち、労働者も政治の一翼を担っていた。日本は、その頃江戸時代で、選挙権が広がっていったのは明治期で、それも政治を動かすところまで力をもっていなかった。日本が、ヨーロッパでの政治参加という立場にたてたのは、日本国憲法が出来てからで、せいぜい70年程度のこと。

 1975年、立命館大に通っていた頃、京都府庁に『憲法を生活に活かそう』と垂れ幕が出ていた。当時は、今でいう市民と野党の共闘が全国で取り組まれ、国民の43%そういう自治体でくらしていた。それに危機感を抱いた自民党は「これからは社会保障は自分たちがやります」とスローガンを掲げて、高齢者医療費の無料化を実現した。80年に社公合意が結ばれ、ソ連崩壊『資本主義万能論』、96年に小選挙区制が作られ、自民党の中枢にYESと言える人だけが、公認され、議員になっていく。同時期に『勝ち組負け組論』が市民を苦しめていった。

 それにたたかうために9条の会がつくれられ、安保関連法で新しい市民運動が作られた。
憲法、立憲主義を守れの声に加えて、個人の尊厳を守れと声を挙げている。今、クライシスの時期。この峠を超えれば、安倍政権を倒すことができれば、憲法がいきる本物の政治が実現できる。そういうところに進んできている。

 沖縄でヒドいことが起きている一方で、沖縄では国政選挙で自民党が大敗し、県知事も政府とたたかうと宣言した。沖縄の新基地建設は、政府と沖縄だけの問題ではなく、いわゆる本土の運動がどうなるかがかかっている。野党共闘が始まる前、オール沖縄ができた。前回の参院選で小選挙区の1/3を超える議席が取れた。改憲発議は2/3が必要。いろんな運動を重ね、広げていくことが、市民と野党の共闘を具体化するし、改憲発議を止める大きな力になる。

若い皆さんに
 ひとつは、自分の願いを実現するには集団の力が必要。自分一人はムリ。1000人集まれば、集会になり、10万人集まれば、新聞社がヘリを出してくれる。一人ひとりが参加者を募って、大きなうねりをつくってほしい。
もう一つは、勉強してほしい。若者は性急ですぐ結果を求めたがる。その性急さを乗り越えるには、歴史や社会の仕組みを学ぶことで、今やってることが膨らんでいく。本を読んで考えることに時間を費やしてほしい。

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